労使問題Q&A

休職期間の通算による自動退職は可能ですか

当社の社員でうつ病と診断され1年4ヶ月休職した者が復帰したのですが、復帰後2ヶ月ほどたってから、欠勤が続くようになり医師の診断の結果、自律神経失調症ということで再度、休職に入ることになりました。
当社の就業規則には、休職規定があり、「2ヶ月欠勤が続く者は休職を命ずる。但し、1年6ヶ月を限度とし、期間経過後は自動退職とする。」旨の記載がされているだけで、復職後のことやその後の休職に関しては何も書いておりません。
同じ病気で、しかも復帰も2ヶ月ほどしかしていないうちに休職となるため、最初の休職期間から1年6ヶ月経過後に自動退職としたいのですが・・・?
規定に休職期間の通算の記載や類似性の病気に関しての記載がないので、自然に自動退職とするのは難しい。

私傷病に関する休職制度は、業務以外での理由から生じた傷病により就労が不能または困難となった労働者に対し、一定期間就労義務を免除することにより解雇を猶予する制度です。そして、この制度を定めている会社の多くは、休職期間が満了しても労務に服することができない場合は自動退職となる旨の規定を定めています。

もともと、休職制度は日本特有のもので、法律に定めのあるものではありません。本来はもうけなくてよい規定であるにもかかわらず、多くの企業で制定されています。これは、日本の企業が終身雇用を前提としてきたものであり、不幸にも傷病にかかった労働者をすぐ解雇するということになれば雇用の安定が損なわれることとなります。また、欠勤したから解雇、となればお互いの信頼関係が損なわれ、安心して仕事を行うことできず、優れた労働力を確保することが困難にもなります。労働者に恩恵的な規定ではあるものの、こうした規定を甘く定めることで足元をすくわれる可能性が高いのが事実です。

本件の場合は休職期間の通算制度が必要です。たとえば、「休職後に復職した社員について、復職後2ヶ月以内に同一ないし類似の疾病によリ欠勤または通常の労務提供をできない状況に至ったと判断される場合、会社はその社員に対し復職を取り消し、直ちに休職を命ずる。この場合の休職期間は復職前の残期間とする。ただし、残期間が1ヶ月に満たないときは1ヶ月とする。」といった規定が考えられます。

この規定にも述べたとおり、傷病名も大切です。何も記載がない、または「同一傷病」とされていると本件のように類似のものに関し別傷病とみなされ、新たな休職期間がまたはじまってしまう可能性もあります。休職規定の落とし穴はこれだけではありません。

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などといった点も規定しておく必要があります。傷病期間中の労働者の社会保険料の負担は会社にもあります。今後治癒して会社の戦力となる見込みがあればともかくとして、今の会社にその余力はありますか?