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ほうれんそう/千住 貞夫

 最近の若い方々の食事の内容について拝見したり聞いたりすると、かなり偏食が目立っているようです。私の食事でおかずの一つとして好んで食べて縮みものの中にほうれんそうがあります。それは出来るだけビタミンやカルシュウムを身体にとり入れる為なのです。

 私は年令と共に少々(?)肥満体となってきましたが、毎年の健康診断の結果は、糖尿・血圧・血糖値・コレステロール等何れも正常とされております。勿論、先天的な体質に恵まれていたのかも知れませんが、やはり食事の自己管理の努力の結果と思っております。
  私はたまたま二十年位前に腰椎間板ヘルニア症で2ケ月有余入院した事がありますが、その時に医師や看護婦から、健康の自己管理の一つとして食事のあり方について種々学ばせていただきました。それ迄は、どちらかと言えば私自身の妬みに合わせての食事に邁進していたのですが、おかずの中味の比例配分には特に注意し、野菜を少しでも多くとり入れるようにとの言葉でした。 それが健康をもたらす為の一つの手段であると言われたのです。ほうれん草は決して好きというわけではありませんでしたが、北海道時代、一時はカボチャやジャガイモを主食としていた私にとって上京してからは野菜の有難味を忘れかけていたのです。医者の言葉によれば、その偏食の結果、後遺症として肥満一体や扁平足等身体の造りが非常に弱くなり、ひいては社会的にも健全な生活が送れなくなるとの事でした。

 それ以来、嫌いなものでも野菜でも良いという考えもありましたが、人間にとっての楽しみの一つには美味しい食事をとる事が先決と考え、街中でなら何処でも手に入れやすいほうれん草をこまめに食する事になったのです。今では酒のつまみとしても手頃なものとなっております。勿論ほうれん草のみを食しているわけではありませんが、このように人間ならば常に食事面での自己管理は絶対必要な事と思います。

 話は異りますが、昭和50年後半に中曽根内閣時代、当時の国会対策委員長の提唱によりほうれんそう運動というものが政治の世界で湧き上がりました。文字は同じですが、これに報告・連絡・相談の“ぼうれんそう”を徹底させることが、大きな組織の動脈硬化を防ぎ活性化させる事になるという事からでした。この時以来、大手の企業を始め、各企業内でこの運動が大きく始まってまいりました。各人が、この報連相を意識する事によって会社内で、対内的には勿論、対外的にも社内の血液が浄化され、組織の骨組がしっかりと固定してくるのではないかと考えております。我々がほうれん草を食する際に、各人の努力によって味付や工夫をすれば余計に美味なる食生活の一端を築きあげることができるのです。
  又、会社の組織の一員として縦、横の線で各人が報告、連絡、相談をより密にする事によって相互に工夫し、味付をする事によって対外的に誇れる一つの会社組織が大きく存在してくる事になると思うのです。の自己管理は絶対必要な事と思います。

 言うなれば私達人間の世界では、常に各人が夫々に立派で美しい血液を造る為に、毎日の生活の自己管理を努力する事によって、いつでも立派な健康診断の結果がもたらされるのではないかと言っては過言でしょうか。

 お互いに立派な家庭、優秀な会社を築きあげるように努力しようではありませんか。

1995年 さかみち 3号より
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