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晩秋を満喫/鈴木 光江

 晩秋の10月25日~26日、当事務所の親睦旅行が行われた。所長を含めて、総勢22名のうち、15名の参加者で25日の午後5時の終了と同時に事務所を飛び出し5時35分発の新幹線に乗り、小田原へ向かった。小田原からバスにゆられ、目的地の箱根小湧谷温泉についた時は宵闇せまる7時半頃になっていた。創業明治16年という伝統の三河屋旅館は、静かなたたずまいで、私達を悠然とむかえ入れてくれた。すぐに宴会になったが、始めは静かに箸をすすめていても、次第に得意のカラオケを披露したり、話に花が咲き、普段とは違う以外な一面を見つけたりと楽しいひとときを仲居さんお勧めの自慢料理と共にすごした。温泉はちょっと熱めで無色透明、大浴場の奥に続いた露天風呂は大きなたらいの様で、まつ赤な紅葉が数枚、湯船の周囲に散っている様子はなんともいえぬ風情があって嬉しかった。少しぬるめの湯は長湯を無言のうちに物語るようで、私は同僚が驚く程、長い時間の入浴を楽しんだ。
 朝は6時前に起きて、また露天風呂、朝食の前にもう一度、そして朝食後も入浴と、とうとう4回も温泉につかって大満足だった。

 チェックアウトの後は帰宅者2人を除き、千条の滝を見て、この滝廉太郎の歌にも歌われた滝が、実は“ちすじの滝”と正しくは読むのだと始めて知った。本当に糸を千本垂らした様な細くて、美しさを改めて見る思いがしだ。その後は彫刻の森へ直行組5人と別れ、私は残りの7人と共に浅間山ハイキングから彫刻の森へちょっぴリハードスケジュール組に連なった。やはり予想した通り山の秋はすばらしい。紅葉した木々。落ち葉や枯れ枝を踏みしめて、都会のビル群にはない、黒土の上の厚く積もった落ち葉の風情を楽しむのは一体何年ぶりかと毎日の忙しい時間に追われた生活を少しばかり反省。それにしても、先頭を行く、わが所長の健脚ぶりは大したもので、こちらはついていくのに精一杯、腰が重く膝が笑いそうな我が身の体力の劣えにストップをかけねばと思い知った。下山の後は宮の下駅から登山電車に乗って彫刻の森へ。3時に分離組との待ち合せ、湯本駅へ急ぐ。

 小学校6年に学校の始めての泊まりがけ遠足で来て以来、数度、今年も5月に湯本温泉を訪れたが、箱根はとても奥が深い。数々のハイキングコース、多くの由緒ある旅館。そして豊富な温泉、心地好い疲れと共に箱根を後にした。

 今回の親睦旅行は本当に楽しい、良い旅行だった。次回はもっと多くの参加者が集まる事を期待したい。

1995年 さかみち 3号より
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