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我ら団塊世代/岩井 慶子

 11月の連休に主人の姪が、福山雅治のコンサートに明石からやってきた。12月末にも横浜アリーナであるとかで又、くるそうだ。

 我々は、ビートルズやグループサウンズに熱中した世代である。心を熱くした青春時代がなつかしい。

 12月のはじめに、今年の国民生活白書が発表された。副題は中年-その不安と希望-いわゆる団塊の世代である我々にとっては、考えさせられる題材であった。

 戦後間もなくベビーブームの中で生まれたこともあり、我々の成長と相まってさまざまな流行がつくられ、社会現象にもなった。

 小学時代は、少年マガジンや少年サンデーが創刊され、漫画ブームとった。又、家庭にもテレビが普及し、プロ野球やプロレスに夢中になった時代である。「食」で言えばチキンラーメンが発売され、この簡単で不思議な食べ物を並んで買ったものである。

 中学・高校時代は「受験生ブルース」という歌がヒットしたくらい、まさしく受験戦争であった。夜遅くまで起きていて深夜放送を聞いた。ラジオを聞き乍ら勉強する「ながら族」という流行語も生まれた。

 60年代は、安保紛争・東大安田講堂事件等、学生運動が盛んな時代であった。

 そんな世代が、社会人になり終身雇用のもと、仕事優先に日本の高度成長時代を支えてきた。いわゆる「会社人聞」を創り出したのである。又、豊かさを求めて、パート等働きに出る主婦も増えてきた。「ニューファミリー」と言われる核家族時代も、又、我々の世代が生みだした。こうして、80年代まで働き盛りとして過したのである。

 そして、90年代、バブル崩壊、土地や株の暴落、金融破たん、長期不況、リストラ等、50歳を越えた団塊世代にとって暗い話題が多い。

 年金も確定拠出型年金を導入されようとしているし、健康や介護への不安も大きい。

 雇用問題や老後問題にかかわる社会のシステムが変わろうとしている中、「不安」は多い、これをどのように「希望」に継げてゆけばよいのだろう。

 白書では、小子高齢化で若年労働力の減少により高齢者の就業の場を拡大しようとする「生涯現役社会」を提言している。

 今まで会社人間としてきた分、今度は、その頃やりたくてもできなかったことに、自分らしさを発揮してみるのも悪くない。

 数の多さで生き抜いてきた底力のある団塊の世代である。10年後の60歳を迎えた頃に又、新たな「高齢者ブーム」を創り出すことであろう。

 何はともあれ、「健康」で、2000年を迎えたいものである。

1999年 さかみち 7号より
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