ネット・さかみち

デート/田辺 有希子

『デート』、私はこの言葉を結構頻繁に使う。私のデートの相手は恋人に限らず、所長や田辺さんや事務所の人、部活の友達、ゼミの友達、地元の友達、あるいは家族、あるいは教授・・・様々である。つまり、頻繁に使うのは私がモテルからではなく(自爆(*_*))、誰かとニ人(あるいはそれ以上)で出掛けることを全てひっくるめて『デート』と呼ぶからである。
 すずき事務所で働いて、また、大学が飯田橋ということもあり、神楽坂のいろいろな所に行った気がする。色気より食い気の私にとって、神楽坂という所はたくさんの宝(食べ物屋さん)が並んでいるように感じる。所長に連れて行ってもらった今まで食べたことがないようなおいしいものが出てくるお店、打ち合わせや面談をしたたくさんのカフェ、お昼を買うお店など・・・。
 神楽坂の気に入っている所はそれにとどまらず、事務所の前のメイン通りに背を向けて横道に入った所にある「様々な顔」である。メイン通りのすぐ横にあるのに空気や雰囲気が違い、とても落ち着いた感じがする。また、「ここは東京なのか」と思えるような情緒ある建物が並び、映画のワンシーンに入ったような気になる程違った世界のように感じる。
 このような異世界に出会ったのは、所長とのデートの時である。所長は散策が好きな方で、お店を探しがてら所長のガイド付きで新たな神楽坂を発見するのである。神楽坂と言っても案外広いもので、歩いているうちに新たな顔を見つけたりして、まだまだ楽しめそうである。
 そのような中、神楽坂小劇場がJR飯田橋駅を挟んで神楽坂とちょうど反対側に移るらしい。個人的には大学により近付くのでとても嬉しいのだが、ニ年半慣れ親しんだ神楽坂、そしてまだまだ新たな顔を持っているだろう神楽坂から遠のいてしまうのは(新しい場所からいつでも行ける距離なのだが)少し寂しい気がする。また、窓際に机がある私にとって、仕事中に時たま窓から空を見上げたり、下の神楽坂を眺めたりと、神楽坂山本ビル五階から見る景色が見られなくなってしまうのも少し残念である。しかし、神楽坂小劇場第一幕から第ニ幕に移り、第ニ幕でもたくさんデートして、たくさん散策したい。靖国神社に続くメイン通りの横道には、きっと知らない世界が潜んでいる気がするので、所長とデートしながら散策したり(これは第ニ幕開幕後の夢☆)、空き時間にプラプラ探検したい。
 デートはたくさんの人とワイワイやるのとはちょっと違った魅力があって、ちょっと深く話したり、普段見せないような自分を見せたりと、なんだか大人の付き合いのようで私は好きである。また、『デート』という響きが気分をウキウキさせるので、好きなのかもしれない。『デート』、私はこの言葉をこれからもたくさん使っていきたい。

 さて、明日は誰とデートをしようかな♪

2004年 さかみち 11号より
back close next