ネット・さかみち

エスパニョール/笠松 よう子

新婚旅行でスペインに行った時のことです。駅のバール(カフェのようなもの)に入るといきなり「コラ!」と言われました。怒っているのかと驚いて声の方を見ましたが、私達に笑顔を向けています。後で知る事になるのですが、「コラ!」と聞こえたのは「HOLA」。英語の「HELLO」や「HI」と同じ意味で、「やあ!こんにちは、こんばんは、おはよう」と何でも使える便利な言葉で親しみを込めた軽い挨拶でした。但し単語のはじめに来るHは発音しない規則なので。「ほら!」ではなく「オラ~!」と読みます。「どうせ英語だって分からないのだから」と変な説得をされて出かけたものの、馴染みの無い外国語は音楽か模様にしか思えず、英語力が中学生レベルであるのに英語が母国語に思えました。 また、色々な場面で、言葉が自由に使えたらどんなに楽しいだろうと思いました。この旅行がきっかけで私はスペイン語を勉強し始めました。勉強時間の長さと力の入れ方はその時々違いますが、10年以上経った現在もスペイン語は私の大好きな言葉です。私のスペイン語の師は50年以上前にカトリックを広めるために日本にやってきた神父さんでした。その人の作ったスペイン語のテキストは、古典的なスペイン語でロマンティックなおとぎ話が記述されていました。この数年はテレビのスペイン語講座のテキストを「買うだけ」の状態が続いていますが、何かの機会にまた学びたいと思っています。目標はスペイン映画やテレビ番組の冗談やギャグを理解し、タイミングよく笑う事とスペイン語でケンカをすることです。

2005年 さかみち 12号より
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