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楽しかった小樽旅行/千住 貞夫

一月十三日午前十一時頃、羽田から千歳への空路、非常に天気が良かったので機内からの眺めはとても見晴らしが良く、特に濃い青色に色づけられた津軽海峡横断の際はとても優雅でした。今は無くなりましたが、昔、青森函館間の連絡船では四時間半かかったのですが、飛行機だとほんのひととびです。

「あっ、きれいだな、すごいな」と誰からとも無く聞こえたのです。それは大雪山旭岳の冠雪豊かな山景色だったのです。正に富士山を拝するがごとき光景に感動させられました。それは、久しぶりの社員旅行、北海道小樽へ向かう空路での出来事でした。今回の旅行は全社員を二組に分け、夫々が一泊二日、二泊三日とし、第一便の二日目に小樽で第二便と合流するというものでした。私共は第一班として鈴木代表と8名が先発、一日目は札幌で宿泊、二日目に十三名の第二班と小樽で合流しての小樽宿泊という企画で行われたのです。

私ども第一班はサラサラと粉雪舞い散る千歳に到着後札幌へ移ったのですが、雪は比較的少なかったです。札幌での昼食後北海道大学(クラーク博士等によって創設された、旧札幌農学校)の雪深い構内を散策いたしました。その後ホテルにチェックインし夜は藻岩山へ向かい、白く化粧された札幌の夜景を見学、満喫したものです。このあたりはキタキツネがよく出るので有名なのですが、残念ながら会うことは出来ませんでした。その後すすき野へ移動、札幌ラーメンを夕食として味わったのですが。その食事前にすすき野散策中、福田くんが行方不明となり、皆で探したところ、狭い路上で外国人によるギター演奏に酔いしれ、道路のさ中で歌って踊っている福田君を発見して大笑いしたものです。きっと北の大地で気持ちが大きく広がったのでしょうね。ラーメンの味は流石本場物であって満喫したものです。

翌日は朝食後、大通公園、札幌時計台、北海道旧本庁舎を見学、特に旧本庁舎の記念館に樺太の記念品や、他に竹(たけ)橇(そり)や橇(そり)・ルンペンストーブ等が展示されており、小樽育ちの私にとっては非常になつかしいものでした。その後道庁舎前の庭では何となく二手に分れいつの間にか雪合戦が始まり、皆が幼い頃にかえり、楽しんだものです。その後時計台等を見学後、函館本線で小樽へ向かいました。

途中小樽市に入る銭函(ぜにばこ)駅を越えてから、列車の右側には日本海が濃い青色に囲まれ時々漁船が見受けられました。はるかかなたの対岸は石狩なのですが遠いので殆んど目に入りませんでした。小樽築港駅に入る手前から、広く小樽港が目に入り、二本の防波堤が夫々の灯台のしたに見受けられ、更にその先には祝津の日和山灯台が見受けられました。湾内の先には坂道の多い小樽市街が大きく広がっていました。そして小樽駅で第二班と合流したのです。私自身が小樽で生まれ育ったのですが、高校卒業後は上京し、今日までを過ごしたので、この時期の雪深い小樽を体験したのは、昭和二十七年以来始めてなので感無量の面持ちでいっぱいでした。

その後オーセントホテルでチェックイン、夕飯まで自由行動に移ったのですが、このホテル自体が昔はデパートだった場所なので驚きました。自由行動で街へ出て、住宅やビルの屋根からぶら下がっている長く太いツララを垣間見ながら散策したのですが、雪が多い割に路上は昔にはなかった除雪車によって雪が除かれているのですが。その代わり溶けた水が路上を潤わし、かえって歩きにくくなっていました。そして港湾沿いや高島、祝津方面を散策したのですが、特に、祝津方面で銀鱗荘(旧にしん御殿)を見学、全く感動されたという女性の方々の話を聞きうれしく思ったものでした。

今回の旅行は小樽が私の出身地である為に、夜の宴会会場は二次会の場所等の設定を任されており、北海道を離れて長い私には自信がなかったのですが、私の国民学校時代の同級生に全てを任せ、宴会場は政寿司で開催したのですが、その新鮮な海産物を含めての食事は非常に美味であり、皆様の賛同を得、更にその後の二次会でのカラオケ合戦等、最近の小樽を知らない私の不安を一掃するものでした。

翌日は朝から小樽運河やその周辺での北一硝子、小樽埠頭、また石原裕次郎記念館、旧日本銀行小樽支店等、明治時代の建物に囲まれた街中を散策、皆が満足されたようです。

小樽運河は昔と違って半分くらいの大きさになってしまったのですが、冬場でもあり、運河沿いの旧倉庫の夫々がふとくて長いツララをぶら下げた光景は誠に見事なものでした。運河沿いに北一硝子の方へ、四、五人で行ったのですが、途中「ギャオッ」という甲高い声でびっくりしたところ、雪に滑って両足を上げて仰向けにひっくり返った清水さんでした。とても若い娘さんの格好ではありませんのでその姿をみて大笑いしました。

全般的に雪や氷の上の歩き方は皆さん下手でした。倉庫内では鈴木代表と地ビールを飲み、楽しい思い出の一つとなりました。帰り際には六花亭でのお土産の購入、また駅の脇にある創立九十年にもなる三角市場での海産物のお土産の購入等皆さんは忙しかったようです。

この後、札幌から千歳へ向かい帰京したのですが、この旅行は誰もが忘れられない楽しい旅行になりました。

2006年 さかみち 13号より
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