ネット・さかみち

今、ここにいる理由 わけ /横島 洋志

 ある本で読んだことがある。「決断」とは、「決」めて「断」つこと。決めることはできても、断つことはなかなかできないという内容だった。

 自分の進む道の途中で、二手に分かれる分岐点にさしかかったとき、どちらに進むか決めなければならない。人生の岐路は誰にでもあると思う。この時、迷わず決められるか、迷った挙句仕方なく決めるか。どちらも決めたことに違いはないが、同時にもう一方の選択肢を断つことができただろうか。  すずき事務所に入るまでの私は、この「断つ」ということがなかなかできなかった。決めたつもりでも、本当はもっと自分に合う道があったのではないかとよく後悔もした。言い訳をしては自分で逃げ道を探したりして、そんな自分に嫌気もさしていた。

 私の職歴は、飲料メーカー、広告会社、菓子メーカー、労働組合の職員と様々。振り返ってみると、寄り道や遠回りもずいぶんした。それでも今までの経験が無駄になっているわけではない。特に、菓子メーカーを辞めた後の職業訓練はこれまでにはない経験となり、今の自分の起点ともなった。そして、この職業訓練で初めて社労士というものを知った。

 この時期、私は本当に不安でいっぱいだった。「これからどうしたらいいだろう。」「もう就職できないかも・・・。」などと毎日頭をよぎっていた。それでも同じような立場の仲間がいて、お互いに励まし合いながら不安を乗り切ることができた。就職をサポートしてくれた先生や就職支援の相談員の方、家族にも支えられ、少しずつ自分の目標を見つけることができた。そしてこの時、社労士の資格を取って、今の自分と同じような立場で悩む人たちのサポートをしたいと思ったのである。

 その後、一度就職し、昨年の9月にハローワークのホームページですずき事務所の求人を見かけた。後日、ハローワークに赴き求人票を手に。これがすずき事務所との初めての出会いとなった。その求人票には、事務所経営の理念が書かれていた。それを見たとき、ここで働きたいと思ったのを覚えている。そして、今年1月にすずき事務所に入所。年も新たに心機一転で再スタート切った。同時に社労士試験は2年目。改めて勉強するという決断を固くした。今年は勉強以外の選択肢を断ち切るほどの覚悟で勉強に励み、本試験に臨むことができた。すずき事務所に入ってからは、今までより自分の決断に自信をもてるようになったと思う。

 今、ここにいる理由。それは、これまでの試行錯誤の日々とその時々の決断による結果であり、決して偶然ではなく、必然なのだと思う。今の自分があるのは、これまで過ごしてきたすべての時間があってこそなのだから。

2007年 さかみち 14号より
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