ネット・さかみち

〝ぎりぎり〟を生きる /中川 美弥

 昨年、私は特定社会保険労務士の研修を受けた。その前の年に受けた先輩から大変なことは聞いていたので、迷ったのだが、思ったときにやらないと、自分に超甘い性格では今後絶対やらないだろうと思い・・・。何が大変かって、講義があるのだが、15分遅刻したら欠席扱いで、欠席を1日でもしたら試験を受ける資格がなくなるのだ。会場は私の家からなら自転車で15分ほど。電車賃もかからないし、ラッキー!と、初日の朝を迎えた。

 「よしはじまるぞ!」と、気合を入れて起き、顔を洗おうと石鹸を顔につけて蛇口をひいたのだが、水が出ない!焦って、洗濯用に残していた風呂の残り湯をポンプで吸い上げて顔を洗った。(顔中石鹸で眼が痛い!)結局断水だったようだが、連絡先を探したり夫にその話をしているうちに時間がなくなり、急いでいた私はそのポンプをぽい、と風呂場のあたりに置いたまま出ていった。

 自転車は快適だった。が、気持ちよく走っていたその途端、

 ぱん!

 という音とともにタイヤがペシャン・・・。まさかのパンク!時間が時間なので泣きそうになりながら自転車を急いでひいているところに、夫から電話があり、「管理人さんから下の階に水漏れしてるって連絡があったんだけど・・・。」最初は「知らないよ!今急いでんの!」と言ったけど、後からポンプを下に置いたままだと、自然の法則で水が流れると夫から説明を受け、私~!?と青ざめた。とりあえず、今はパンクを直そうと警察に行って自転車屋を聞くも、渋谷にはない、と言い切られ、仕方なく自転車を捨てて、教室へ駆け込み、14分の遅刻でぎりぎりセーフ。講義中も、水漏れが心配で損害保険入ってなかったよなぁ、いくら請求されるんだろうと気が気ではなく、授業など聞いている状態ではなかった。帰り道、自転車を東急ハンズまでひいていったが、1ヶ月かかると言われ、結局家の近くまでひいていった。しかも「タイヤの使いすぎ!」と言われ全とっかえ。

 水漏れは契約のとき、知らぬうちに入れられていたものがあり、どうにかおりることに。(それも自分の過失だからだめ、という話もあり、すったもんだ大変だったが・・・。)さんざんなはじまりではあったが、結果的にはどうにかこれまたぎりぎりで特定社労士は合格できた。

 いい「ぎりぎり」もあった。今年、私は人生で初めての「テレビ出演」を果たした。どんなテレビに出たかというと・・・。

  私が担当している事業所様にはお知らせさせて頂いたのだが、その番組は「おかあさんといっしょ土曜版 あそびだいすき」。その中の「ぴよこがいく」というコーナーに出た。ひよこの着ぐるみをきたきよこお姉さんといっしょにひよこダンスをするというもの。子供が3歳のうちは「おかあさんといっしょ」のレギュラー番組に応募することができるので、毎月はがきを出していたが、あえなく完敗だった。かなりの人気のようだったので「やっぱ、だめだったねー」と話していたところ、NHKから電話があり、はずれた人の中から家族で踊ってくれる人を探している、とのことだった。ひとつのコーナーに出られるというのでレギュラー番組よりいいじゃん!っていうか、私もでれるじゃん!と快諾。

 土曜日に家まで撮影にくるということで、何着ようかな、化粧ノリはいいかななどといらぬ心配をしたり、何より子供が風邪引かないといいんだけど、と思っていた。ところが、なんと前前日の木曜日の夜中から、私がひどい吐き気、嘔吐、下痢・・・。そしてなんと夫まで同じ症状!二人でトイレの奪い合いで、金曜日の朝は親に頼んで子供を保育園まで送ってもらった。そして二人で病院へ行き、並んで点滴を打ってもらい、実家へ行って並んで寝て、おかゆを食べるという、最悪の事態だった。それでも、翌日までにはどうにか立てるくらいまでに復活して、ぴよことともにダンス。しかし、飛び跳ねるたび、お尻のあたりが気になり・・・(冷や汗)。

 放送時間は7、8分だったが、家族全員で結構映っていて、いい記念になった。お知らせさせて頂いた事業所の方々からも「見たわよ~、よかったわぁ~」(某製本業社長奥様、ちなみに社長からもお褒めの言葉を頂いたが、恥ずかしいので省略)、「朗らかに踊る家族、ばんざい!」(某IT関連業役員様)、「ビデオにとって何回も見ちゃいましたよ」(某建設業社長様)といううれしいコメントまで頂いた。

 よきにつけ、あしきにつけ、〝ぎりぎり〟を生きてるなぁ、と実感。実は仕事も常にぎりぎり状態で、ビミョー(アウトかも)なことも多々。でも、もっと余裕をもって生きていきたいと思う毎日である。

2008年 さかみち 15号より
back close next