ネット・さかみち

電子申請  /小林 礼子

 「電子申請」、何だか難しそうだなぁ。これが私の電子申請に対する最初の印象でした。私たちの業である社労士という仕事のひとつに、社会保険・労働保険の手続があります。例えば、会社で人を雇った時、健康保険や厚生年金の加入の手続をします。通常は、届出用紙を作成して役所に提出、という手続方法をとっているのですが、最近、新たに「電子申請」という方法が加わりました。

 電子申請は、今まで届出用紙に記入していた情報をデータ化し、オンライン上で申請を行う、というものです。電子申請を行うメリットとして、事業所の印鑑がいらなくなる、役所に行かなくても事務所で届出ができる、手続のための添付書類が省略できる、などがあります。特に関東以外へ手続を行う場合、今まで郵送で手続していたのがPC上でできるようになったので、郵送代の節約と時間短縮になります。健康保険証などを早く手に入れることができます。

 アナログな私は、何だか難しそうな「電子申請」に初めはあまり興味を抱けませんでした。鈴木代表やシステム担当のTさんからのお話を伺い、電子申請のメリットをより多く享受できることを知り、やってみよう!と思うようになりました。

 電子申請を始めるには、まず事業所さんからの同意が必要なので、担当の方に説明することから始めました。しかし、電子申請制度自体が新しいため情報が足りない部分も多く、また事務所内で前例があまりなかったので、事業所さんにうまく説明することができなかったりで少し大変でした。初めのころは、「CSVファイル」「電子証明書」「パスワードの暗号化」と、私には意味不明な言葉ばかり。とにかく手順に沿って進めようと、厚労省のマニュアルを見てもわかりやすいものとは決して言えず、なかなかうまくいきませんでした。わからないので行政に電話で問い合わせ、そのやり方でやり直してもエラーとなり、再度問い合わせると「あれ?できませんでした?じゃあこのやり方ならできるかなぁ?」と言われる始末。かえって時間かかるのではないか??と思うこともありました。しかし、何度か申請をするうちにそれなりにできるようになりました。まさに「習うより慣れろ」ですね。

 私が電子申請を始めたころは、電子申請の制度内の変更が多く、役所の対応も若干混乱していました。しかし現在は制度が浸透してきているせいか、申請してから事務所に結果が届くまでの時間がかなり短くなってきました。事業所さんも、用紙の押印や添付書類の準備の手間がなくなり、多少は便利に感じていただけているのではと思っています。ただ、手続上、従来の紙での届出とは違う問題点もあり、これから改善策を考えなくてはなりません。

 今回の経験で、新しいことに挑戦することは大切だな、と実感しました。私自身は割と新しいことに躊躇してしまう性格なので、周りの働きかけがなかったら、前に進めなかったと思います。こういう機会を与えてくれた事務所に感謝したいと思います。

2008年 さかみち 15号より
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