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ぶらり定期便の旅/小倉 貴士

東京を中心とした各地域のハローワークや社会保険事務所など、手続関係の書類を持参し、窓口にて申請する業務を当事務所では「定期便」と呼びます。
この定期便を初めて経験したのは、事務所に入った初日のことでした。
私がそれまでに行ったことがあるハローワークといえば地元の千葉とその隣にある千葉南だけでした。しかも千葉の場合は、手続件数が東京ほど多くないため、取得・喪失の窓口はひとつ。都心は事務組合や社会保険労務士事務所の専用窓口があり、これにはちょっと驚きました。
初めての定期便は品川のハローワークでした。
定期便の主務者である千住さんから、行程を丁寧に教えて頂き、地下鉄に乗って『六本木一丁目』で降りることを聞き、「六本木にハローワークがあるのかぁ、スゲーなぁ・・・」と驚きました。
ハローワークに到着して、順番を待つ人の多さにも驚き、定期便初日は驚きの連続だったことを覚えています。
この定期便、東京の色々な風景が楽しむことができ、東京の一部しか知らなかった私にとっては、ちょっとした旅のようで、多くの発見や体験がありました。
特に印象的なのは、世田谷社会保険事務所に向かう行程です。
新宿から京王線にのり、下高井戸まで向かい、そこから東急世田谷線にのり、上町駅で下車します。
この世田谷線が路面電車で味わいがあり、車窓からの町並みを見ると、民家や商店が軒を連ね、下町の原風景を垣間見ることができ、「東京にもこういうところが残ってるんだなぁ」と思ったものでした。
上町駅に到着してからは、徒歩で社会保険事務所に向かう際も商店街を通り、色々なお店や名所・旧跡を発見したり、楽しんだものでした。
都心のハローワークでは、渋谷によく行きましたが、朝のニュースで渋谷のスクランブル交差点が映し出されると、「あぁ、数時間後にはここに行くんだなぁ」と思い、着いてみるとやはり人の多さに圧倒されること・・・。
その他にも、千代田社会保険事務所に行く際には靖国神社の桜、みたままつり、上野社会保険事務所に行く際は不忍池の蓮、化粧品健保に行く際は、池波正太郎も歩いた柳橋などなど風情があっていいものです。
そして、事務所から最も近くにある飯田橋のハローワークですが、6年ほど前のある日にここの前に立っていたことがあります。

某団体職員であった時、商店街の夏期大売出しが行われ、抽選に当たった方は、東京ドームにて巨人×阪神戦の観戦ツアーが行われ、その際、添乗員として同行しました。
千葉の地方に住む方々でバスはほぼ満席。
既に巨人のユニフォームを着て、オレンジのタオルを巻いてる方も数名おり、この状況で席が3塁側とはとても言い難い状況でしたが、言わざるを得ず・・・。
某団体職員時代は幾度となく添乗員を経験し、まぁ修羅場が多かったこと・・・。
観戦の際のお弁当を用意するため飯田橋のハローワークの前で待ち合わせとお弁当屋さんから指定され、ダンボールに入った30個ほどの弁当をそこからせっせと東京ドームのバス駐車場まで運びました。
当時、飯田橋のハローワークを見て、「こんな都会のハローワークには縁がないわなぁ」と思っていましたが、今ではちょくちょく手続でお邪魔します。人生、わからんものです。

そういえば、先日は草加のハローワークに行った際、手続きを終え、駅に戻る際のバスの運転手が趣味のレースの仲間で、偶然も偶然・・・向こうもこっちも驚きました。
担当するお客様の地域も徐々に広がり、手続でお邪魔するハローワークや社会保険事務所も多くなりました。
これからも『ぶらり定期便の旅』は続き、新たな発見が待っていると思うと楽しみです。

2009年 さかみち 16号より
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