ネット・さかみち

2度目の育休復帰/土井 牧子

2月のとある土曜日の午後。その郵便は、届いた。 「入園することを認める」の文字が目に飛び込んできて、ものすごくホッとしたことを覚えている。それは、育休対象となった0歳の子供が、4月から保育園に入所することを許可するという旨の通知書であった。  入園の許可は、仕事を辞めたり、市外へ転居したりしない限り、基本的には小学校へ上がるまでの6年間、保育園への通園が可能となることを意味する。今回は、2度目の育休。上の子と同じ保育園に、下の子もすんなり入園できたことは幸運なことだし、また働き続けられることも素直に嬉しかった。

けれども、同時にちょっとがっかりとした気持ちにもなった。

そもそも、認可保育園への入所は、地域にもよるが、非常に困難である。年度の途中からの入園は、ほぼ絶望的。4月からの一斉入所に、親はすべての望みをかけて申し込むのだ。入園を困難にする原因は、やはり働きたい(主に)母親の数が、保育園児の受け入れ人数を圧倒的に上回っていることにある。不況が続くことで、ここ数年さらにひどくなっているように思う。

認可保育園入所の優先順位は、ポイントで左右される。最も高いポイントが付くのは、母子家庭のお母さん。それから、無認可保育園に預けて現在働いている人。育休中で、復帰する職場が決まっている人。これから職を探して働く予定の人。というように、ポイントが低くなっていく。同じ働くでも、非正規(パート・アルバイト)よりも、正社員のほうがポイントは高い。

保育園に上の子がいるお母さんで、我が家と同じ年の下の子が、どの認可園にも入所できなかった方を知っている。それだけに、感謝して働かねばならないと思うし、復帰することを辞めようと考えたことはなかった。

でも、それでも・・・なのだ。私は、子供は2人までと決めていた。今回が最後の出産・育休となる。2人目ということで、育児にも慣れたのか、育児ストレスも殆どなかった。そんな中で、まだ首も据わっていない3ヶ月の子供を、保育園に預けることは、予想を超えて辛いことだった。もっとどっぷり育児を楽しみたかった。  1年育休を取って、来年の4月から保育園に入園させて働く。本当は、それが理想だった。だが、来年保育園に(ましてや同じ園に)入園できる保証など全くない。

 そんな気持ちの整理がつかない中で、今回は育休から復帰することになった。いざ復帰して、数ヵ月が経った。結果としては、復帰して良かったと今は思う。でも、どこかで、もうちょっと子供と一緒にいたかったなぁという思いがあるのも本心だ。

育休制度ができて10数年。育休を取る人も増えて、仕事を辞めずに出産することは、そんなに大変ではなくなったように感じる。だが、出産後、復帰して働こうと思ったときに、子供を預ける保育園の心配をしなければならないのは、いかがなものだろう。本来1年取れるはずの育休が、1年取ったら保育園に入所できないかもしれないということで、育休を短縮する人が多いことがニュースにもなっていた。

働く母親として、働こうとしたときに間違いなく子供が保育園に入園できるという環境を、何よりも切に願う。

その他にも、①契約更新の見込みがないために育休が取れない派遣社員のお母さん、②雇用保険の取得漏れのために、育休を取っても育児休業基本給付金が受給できないお母さん、③出産後頼る身内もなく、お父さんの育休が取れないために、産後一人で子育てに奮闘するお母さん、と様々な育児困難なお母さんを目の当たりにして、心を痛めることが多い。

出産・育児をしても、安心して働き、心身ともに豊かに生活していける日を目指して、働くお母さんで私もあり続けなければ・・・。そんな決意を新たにした、育休復帰となった。


2010年 さかみち 17号より
back close next