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深夜ウオーキング/佐藤 光一

 いつの頃からか深夜に目覚めるようになり、せっかく目覚めるのだから時間がもったいないということで始めたのが週末の深夜ウオーキングです。さすがに平日はやりません。特に夏の間は昼間暑いためむしろ夜、特に人や車の少ない深夜の方がのんびり歩けて好都合です。
 距離にしてだいたい10キロ程度でしょうか。寄り道しながらマイペースで歩きます。
 深夜だけにリスクもいろいろあります。無灯火の自転車に何度か接触しそうになったことがあったり、車にも轢かれそうになったこともあります。さらに警察の職質を受ける可能性も高くなります。(まだ受けたことはありません)
でも、道路を渡り放題(信号なんて関係なし)、車道の真ん中さえ堂々と歩けてしまう。そして周りの見慣れた風景でも深夜となると何となく幻想的に見えるのか(自分の感覚ですが…)昼間とすこし違って見えて新鮮です。
 深夜ウオーキングをしていて思うことは、酔っ払いが多いです。公園のベンチで眠り込んでいる人。千鳥足でぶつぶつ呟きながらよろよろ歩いている人等々。

 ところで深夜ウオーキングをしていて私のささやかな楽しみが最近2つあります。
 まず、ある公園で体操おじさん(お爺さん?)を見る事です。見かけで70歳近いのではないでしょうか。格好はランニングシャツにだぶだぶの短パン。そして髪は天然ぼさぼさでまるで楳図かずおさん状態です。顔はムーミンに出てくるミーみたいな感じです。
 一見ホームレスの方だろうと誰もが思ってしまうでしょう。ところが、公園内にある鉄棒を前にすると人が変わります。鉄棒に足をかけるとまるで体操選手のようにクルクル3回、4回とすごい速さで回転するのです。極めつけは鉄棒での大回転です。グルングルンと体を大きく回転させ地面に着地しフィニッシュします。さすがに年齢のせいか着地時に少しよろけていますが…。しかしながらこれはもう大拍手ものです。また、ベンチを使って見事な倒立前転も披露してくれます。それらを3セット位行い颯爽と去っていきます。(イヤお見事です!)

 もう一つの楽しみ。それはネコの観察です。(ネコ好きのため見ているだけで癒されます)
深夜はネコが多いです。路上に無防備に横たわり動じないネコ すぐ逃げる臆病なネコ ドスの利いたような目をぎらつかせているネコ ケンカしているネコ 妙にひとなつっこくスリスリしてくるネコ いろんなタイプのネコが深夜に徘徊しています。もっともネコは夜行性のため、暗くなってから行動することが多いようです。
 最近出くわすのが、白い毛の親子です。母親と思われるネコは体格がひょろひょろです。野良ネコなので、きっとエサにありつけないのでしょう。もっと心配なのはチビです。すこしよろよろしています。栄養不足か病気なのか…。
 それでも、チビはまだ遊び好きで人間の子供がよく遊ぶ小さな釣竿のおもちゃ(先に魚がついているやつ)で遊んでやると、必死に魚を追いかけます。転びながらコロコロとおいかける姿はとてもいい感じです。
 遊び疲れて、ネコ用のエサをあげると元気よく食べます。
そのためウオーキングする時は「カルカン」や「モンプチ」などといったネコのえさを常にもって出かけています。
 そんな調子で普通なら挫折してしまいそうな深夜のウオーキングですが、これらの楽しみがある限り続けられるかもしれないと思っています。

2011年 さかみち 18号より
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