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憧れの寝台特急/清水 亜希子

 「乗ってみたいなぁ」と思い始めて6~7年くらいだろうか。
昨年末、念願かなって寝台特急で旅に出た。
現在、国内で運行している寝台特急は数少ないが、この中の「サンライズ出雲」に乗って冬の山陰へいざ!というわけである。

 東京を22時に出発し、出雲市着が翌10時前。
半日は車内という非日常感に魅かれていたのだが、興味がない人には苦痛だろうと思い、恐る恐る友人に声をかけてみたところ、類は友を呼ぶ?私を含め4人が参加。
言い出しっぺの私が切符を買う重大任務にあたることになった。
とはいえ、発売日(乗車日の1か月前)にみどりの窓口に並ぶなんて初めてなので勝手もわからず、発売時間の10時ピッタリに並んでみたが、先客が1名。
3分位で順番は回ってきたものの、取りたかった「シングルツイン」は数が少なく終了、2階の「シングル」の禁煙席は2室しか取れない…、むむむ、どうしよう!と慌てつつ、なんとかシングルの喫煙席を確保。
この時点でもまだ発売開始から7分。人気を実感させられた。

 そして当日。
仕事を終え、わくわくしながら東京駅へ。
車内にはソフトドリンクの自販機しかないとの情報を得ていたので、乾杯用のビールやちょっとした食べ物、翌日の朝食も用意しておかないと。
おまけに目的地の天気予報が「暴風雪」だったので、水分も余分に用意した方が などとあれこれ買い物をしているうちに入線時間!あわててホームへ駆け上がった。

 発車時間まで10分程度、写真を撮ったりしているうちにあっという間に出発である。
ひそかに「いったいどんな個室なんだろう」と思っていたのだが、寝るには十分な広さだし、備え付けのハンガーやパジャマもある。
ドアはテンキーで暗証番号の設定もできるから、女性の一人旅でも安心。
各自の席(というか寝床)を確保し、車内の写真を撮って などとやっている外は普通に忘年会シーズンの東海道線の各駅。
ホームに並んでいる人たちからはさぞかしおめでたい人たちに見えたに違いない…。
おめでたいついでに一室に集まり乾杯!と始めたところで車掌さんが検札のために登場。
ドアを開けて「4人まとめてここにいまーす」と言ったところ、「あぁ、狭いところで…」と苦笑されてしまった。
ひとしきり済んでからは室内灯を消して、窓から見える星空を眺めてみたり、おしゃべりしたり。
この日はとてもいい天気でぜいたくな時間を過ごすことができた。
車内探索をしたりしているうちに日付も変わり、そういえばこれってまだ旅の往路だということに気づき、浜松を過ぎたあたり(午前1時ごろ)で就寝。
揺れで眠れるか心配していたがさほど気にならず、週末だったこともあり、あっさりと眠りに落ちた。

 目が覚めると姫路。
岡山で瀬戸内海を渡る「サンライズ瀬戸」との切り離しを見物したのが6時半。
個室に戻って、窓から外を眺めていたら二度寝をしていたらしく、次に目が覚めた時には外は雪国だった…。
用意のいい友人がポットにお湯を用意してきてくれており、インスタントのコーヒーをごちそうになったが、このおいしかったこと!朝食用のパンを食べたり、また個室に戻ってボーっとしたり。
あまりに非日常的な、でもものすごく心地よい時間だった。
心配していた遅延もなく、9時過ぎに米子着、その後、安来・松江・宍道と進み、間もなく出雲市。
「まだ乗っていたいー」と思った列車は初めてだったが、定刻通りに出雲市着。
まるまる半日の列車の旅があっという間に終了してしまった。

 あまりに快適だった寝台特急の旅。
ぜいたくだし、次はいつ乗れるだろうか…と思っていたところ、上野駅の特急ホームにカシオペア(上野~札幌)のツインのモデルルーム?を発見。見てしまったら乗りたくなってしまった。
いつか乗れることを楽しみに、日々励みます!

2012年 さかみち 19号より
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