ネット・さかみち

スケ変/大森 直子

  私は自宅近くのスポーツクラブに加入して十年以上になります。
運動をしない日でも、お風呂だけ利用するので定休日以外ほぼ毎日利用しています。お風呂だけ利用する日は、夜十時頃行きます。
すると、同じような会員さんがたくさんいて、みなさん顔見知りでお天気の話や、その日のニュースの事など他愛のないことを話しながらお風呂に浸かったりします。たまに誰かの顔を見ないと、「どうしたのかしら?」と心配になります。旅行に行くとお土産を買ってきたり、珍しい物を手に入れると、おすそ分けをしたりしています。この雰囲気は、昭和の頃の銭湯のような感じなのだと思います(行ったことはありませんが)。ほとんどの方の御名前も年齢も職業も知りませんが、こういう利害関係のないサラッとした人間関係は結構気分転換になり助かっています。嫌な事があった日なども、お風呂に行ってくると気持ちが軽くなりよく眠れます。

第一の目的はもちろん運動です。スポーツクラブでは水泳、エアロビクスやヨガ、格闘技の型を使ったエクササイズ、ウエイトを使ったプログラムなどを無料で約二十本を毎日提供しています。体力や好みに合わせ、定期的にスタジオレッスンに参加して楽しんでいます。
ところで四月と十月はスポーツクラブのスタジオレッスンプログラムの改訂月です。
クラブのメンバー同士では「スケ変」と呼んでいて、毎回ちょっとした騒ぎになります。
レッスンのタイムスケジュール表が作られていて、そのスケジュール構成が、スポーツクラブやインストラクターの都合や参加者の数などにより変更されるのです。このスケ変は単なるスケジュール表の変更という簡単なものではありません。人気インストラクターのレッスンや参加者に常連の発言力の強い人などが多いレッスンが変更の対象なる場合は大変です。スポーツクラブの支配人を数人で囲んでクレームを付けたり、本部あてに組織的な投書を行って、結局スポーツクラブ側が譲歩したという例をいくつも見ています。

客観的にはそんな事と思うかもしれませんが、私たちメンバーにとってそのスタジオレッスンは日常生活の重要な一部を構成している場合が多く、変更は大きな影響を受けるからです。
一番大変なのは、参加しているスタジオプログラムがなくなってしまう事、次に担当インストラクターの変更、開始時間の変更、参加人数が少ないことにより、狭いスタジオに変えられてしまうなど・・・・。
私の行っている地区は近隣の六店舗が相互利用できるため、自分のホームのクラブだけでなく、他の店舗のスケ変もチェックします。変更の情報とともに、集客力のあるインストラクターがレッスンフィーのアップを要求したが、スポーツクラブ側が受け入れず決裂したとか、他のクラブからのオファーがあり、抜けてしまったなど、どこから色々な情報を仕入れるのか噂話などもLINEやtwitterで即時に拡散されます。

今年もそろそろ十月からのスケジュールが発表されます。どんな事になるのか楽しみなような、怖いような。

2014年 さかみち 21号より
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