「面接では応募者にどんな質問をすればいいの?」
「逆にしてはいけない質問はあるの?」
「応募者からは逆にどんな質問をされるのかな」
人事労務担当者の方で、このような悩みを抱えていませんか?
面接官はいくつかの質問を通して、応募者が自社に適しているか見極める必要があります。
しかし、実際にどんな質問をすればいいのか分からず、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、採用面接で使える質問を紹介します。
他にも聞いてはいけないタブーな質問や、応募者から聞かれるであろう質問なども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
面接官に求められる2つの役割
そもそも面接官はどういった役割を担っているのでしょうか?
主に次の役割があります。
- 応募者が自社に見合う人材か見極める
- 応募者に自社の魅力を伝える
それぞれ解説していきます。
①応募者が自社に見合う人材か見極める
ひとつは応募者のスキル、経験、価値観などを評価し、これらが自社に合っているか見極めることです。
従業員は経営戦略を成功させるための重要な鍵です。
適切な人材を採用することで、企業はより効率的かつ成功に導くことができます。
②応募者に自社の魅力を伝える
もうひとつの役割は、自社の魅力を応募者に伝えることです。
優れた人材は選択肢が多く、競合他社も狙っている場合があります。
福利厚生やキャリアアップの機会、企業文化などをしっかり伝えることで、優れた人材を引きつけやすくなります。
スムーズに話を聞き出すための面接の進め方
一般的に会社の面接は、次の流れで行われます。
- アイスブレイク(雑談)
- 面接官の紹介
- 会社の説明
- 応募者の自己紹介
- 面接官からの質問
- 応募者からの逆質問
- 事務連絡
アイスブレイクとは、応募者の緊張をほぐすための雑談です。
応募者をリラックスさせ、安心して質問に答えさせるために欠かせません。
面接の詳しい進め方は、こちらの記事をご覧ください。
面接官が知りたい応募者への質問40選
それではここから、面接で使える質問を8つの種類に分けて紹介していきます。
- アイスブレイクで使える質問
- 志望動機を確認する質問
- 退職(転職)理由についての質問
- 性格・価値観についての質問
- 職務適性についての質問
- ストレス耐性についての質問
- 協調性・チームワークについての質問
- 自己理解・自己認識についての質問
ぜひ参考にしてください。
①アイスブレイクで使える質問
アイスブレイクでの質問は、応募者がリラックスしやすいような、簡単で親しみやすい内容が好ましいです。
初対面での緊張を解くため、また応募者の人柄を軽く探る意味も含まれています。
- 今日は当社までどうやって来られたのですか?
- 最近暑い日が続いていますが、体調は大丈夫ですか?
- 趣味はピアノなんですね。いつから始められたのですか?
- この間の連休はどこかお出かけされましたか?
- 〇〇大学のご出身なんですね。実は私も通っていたのです。
質問するだけではなく、適度に自分の話もすることで、応募者の緊張はより解けやすくなります。
②志望動機を確認する質問
アイスブレイクと双方の自己紹介が終わったら、本格的に質問を始めます。
まずは、志望動機を確認する質問です。
この質問を通じて、応募者が企業や職種にどれだけ興味を持っているかを評価します。
- 志望動機を教えてください
- 当社を選んだ理由はなんですか?
- この職種に興味を持ったきっかけを教えてください
- 当社で働くことで達成したい目標はありますか?
- 具体的にやってみたい業務内容はなんですか?
③退職(転職)理由についての質問
退職(転職)理由は、中途採用の応募者に対して使います。
この質問では、応募者が新しい職場にうまく適応できるか、前職と同じ理由で退職する可能性があるかを確認します。
- 前職を辞めた主な理由はなんですか?
- 前の会社での業務内容と、それに対する満足度や不満点はなんでしたか?
- 前職で最も達成感を感じた瞬間を教えてください
- 前の職場の社風やチームの雰囲気はどうでしたか?
- 将来的にどのようなキャリアを望んでいますか?それに前職の経験がどれだけ寄与していましたか?
④性格・価値観についての質問
次に、応募者の性格や価値観を確認する質問です。
応募者と一緒に働く可能性があるので、価値観や社風が合致するかどうかは、双方にとって重要なポイントになります。
- 仕事をする上で最も大切にしていることはなんですか?
- どのような瞬間にやりがいを感じますか?
- あなたにとって成功とはなんですか?
- 困難な状況でどのように行動するか、例を挙げて説明してください
- 苦手な人とどのようにコミュニケーションを取りますか?
⑤職務適性についての質問
職務適性に関する質問は、応募者が希望するポジションに対して、どれだけ適したスキルや経験を持っているのかを明確にします。
- あなたはどんなスキル(資格)を持っていますか?それをこの職種にどのように活かしますか?
- 今まで使ったことのあるソフトウェアやツールを教えてください
- 過去に遭遇した困難な状況と、それをどのように解決したか教えてください
- 優先順位が複数ある場合、どのように決定しますか?
- 弊社で具体的になにを学びたい、または成長させたいと思いますか?
⑥ストレス耐性についての質問
ストレス耐性についての質問は、応募者がプレッシャーに感じる状況や、予期せぬ課題にどう対処するかを理解するために必要です。
- どのようなときにストレスを感じますか?
- 高いプレッシャーの下で働かなければならないとき、どうやって集中力を保ちますか?
- チームで働いていて意見が合わないとき、どう対処しますか?
- ストレスを感じたとき、どのように発散しますか?
- 最近で不愉快に思ったことがあったら教えてください
⑦協調性・チームワークについての質問
協調性やチームワークに関する質問は、応募者がチーム内でのコミュニケーションや共同作業に適しているかを評価します。
- チームで働いた経験はありますか?どのような役割を果たしましたか?
- 良いチームワークとはなんだと思いますか?
- 仲間と一緒に働く上で最も大切なことはなんだと思いますか?
- チームプロジェクトで達成感を感じた瞬間を教えてください
- コミュニケーションを円滑にするために心がけていることはありますか?
⑧自己理解・自己認識についての質問
自己理解・自己認識に関する質問は、応募者が自分自身の強み、弱点、動機などをどれだけ理解しているかを確認します。
- あなたの長所と短所を教えてください
- あなたが一番得意とするスキルはなんですか?
- 自分が最も成長した経験はなんですか?
- 他人があなたをどのように評価していると思いますか?
- 5年後、10年後の自分はどうなっていたいですか?
面接官が聞いてはいけない9の質問
以下の質問は、採用において必要のない情報であり、また差別や偏見につながる可能性があります。
面接で使用することは避けましょう。
- ①本籍や出身地に関すること
-
- 出身はどちらですか?
- ずっとこの住所に住んでいるんですか?
- ②住居やその環境に関すること
-
- ご自宅は賃貸ですか?
- 住んでる〇〇地域の特徴を教えてください
- ③家族構成や家族に関すること
-
- お父さんのご職業はなんですか?
- ご両親の年収はいくらですか?
- ④資産に関すること
-
- 車を所有していますか?
- 株式投資や投資信託をやっていますか?
- ⑤思想、宗教、支持政党、尊敬する人物に関すること
-
- あなたとご家族は、なにを信仰していますか?
- あなたの信条としている言葉はなんですか?
- 尊敬している人物と、その理由を教えてください
- 以前の選挙に行きましたか?どの政党を支持していますか?
- ⑥社会運動に関すること
-
- 学生運動に参加したことがありますか?
- デモ活動をどのように考えていますか?
- ⑦購読新聞、雑誌、愛読書に関すること
-
- どこの新聞を購読していますか?
- 普段どんな本を読んでいますか?
- ⑧結婚や出産に関すること
-
- 結婚の予定はありますか?
- 子どもが生まれても仕事は続けられますか?
- ⑨その他、不適切とされる質問
-
- 制服を用意するために、スリーサイズを教えてください。
- 健康診断書を提出してください。
応募者から面接官に聞かれる逆質問例
面接官からの質問が終わったら「なにか質問はありますか?」と、応募者に聞くのが一般的です。
どんなことを聞かれるか事前に予測して、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
- 逆質問例①:入社後のキャリアについて
-
- 入社までに勉強しておくべき事はなんですか?
- 御社ではどのような方が成果を出していますか?
- 人事部で活躍するには、どのような能力が求められますか?
- 逆質問例②:長所や強みについて
-
- 部活動で養ったリーダーシップを今後も発揮したいと考えています。御社では若手でもこうしたスキルを発揮できる機会はありますか?
- 在学中にFP2級を取得しましたが、御社の業務で活かすことはできますか?
- アメリカ留学の経験があるのですが、語学を活かせる機会はありますか?
まとめ|適切な質問をして面接官の役割を果たそう
それでは最後に、本記事のおさらいをしましょう。
- 面接では「入社意欲」「職務適性」「性格」などについて質問する
- 逆に「本籍」「家族構成」「思想」などについては聞いてはいけない
- 応募者からは「入社後のキャリア」「長所や強み」などについて聞かれる可能性がある
今回紹介した質問を参考にして、ぜひ自社に合った人材を見つけてください。
もし面接についてご質問などがあれば、人事労務のプロである社会保険労務士に相談するのがおすすめです。
飯田橋事務所でも、面接や採用などに関するご相談を承っているので、いつでもお気軽にお問い合わせください。