「新入社員研修ってどれくらいの期間を設けるものなの?」
「研修期間ってどうやって決めたら良い?」
「研修期間を決めるときに、気をつけることを教えてほしい」
人事労務担当者の方で、このような悩みを抱えていませんか?
新入社員研修は、新入社員が企業への理解を深めたり、ビジネスマナーを習得するために行われます。
実りある新入社員研修にするためにも、担当者の方は適切な研修期間を定めなければいけません。
しかし、実際にどれくらいの期間を設けたら良いのか、いまいち分からないという方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、新入社員研修について次の内容を紹介します。
- 新入社員研修の平均期間
- 研修期間を決めるためのステップ
- 研修期間を決めるときの注意点
- 研修を短期間で効果的に行う方法
- 新入社員研修の内容
この記事を読めば、新入社員研修を成功させることができるので、ぜひ最後までご覧ください。
新入社員研修の平均期間
新入社員研修の期間は、1〜3ヶ月ほどに設定している企業が一般的です。
しかし、職種や部門によって設ける研修期間は微妙に異なります。
事務職や営業職は約1ヶ月
事務職や営業職などの一般職では、約1ヶ月の研修期間を設けていることが多いです。
この期間では、社会人としての心得やビジネスマナー、企業理念、自社の事業内容に関する知識を身に付けることができます。
約1ヶ月という期間は、新入社員が必要な基礎知識とスキルを学ぶのに十分な長さです。
経理職や技術職は約3ヶ月
経理職や技術職など専門性が高い職種では、約3ヶ月の研修期間を設けています。
この期間は、基本的なビジネスマナーや事業内容の理解に加え、専門知識や高度な技術スキルの習得に費やされます。
専門性が高い職種では、入社直後から要求される専門知識や技術が複雑であり、それを習得するためには1ヶ月では不十分です。
そのため、約3ヶ月の研修期間を設けることで、新入社員が必要な専門知識や技能を、じっくりと身に付けることができます。
新入社員研修期間を決めるための3ステップ
新入社員研修期間は、一般的に次の流れで決定します。
- 研修する目的・ゴールを決める
- 研修内容を決める
- 研修にかかる時間を計算する
1ステップずつ解説していきます。
①研修する目的・ゴールを決める
新入社員研修の計画を立てる際は、まず研修の目的やゴールを明確に設定します。
研修の目的をはっきりと定めることにより、新入社員は学ぶべき内容と自身の成長方向を把握しやすくなります。
また、具体的な目標を設定することで、研修プログラムの作成がスムーズになり、より効果的な教育カリキュラムを構築することが可能です。
②研修内容を決める
研修目的を決めた後は、それを踏まえて具体的な研修内容を決定します。
新入社員が業務を遂行する上で必要なスキルをリストアップし、それを教育カリキュラムに反映させることが重要です。
また、講義だけではなく、ロールプレイやグループディスカッションなど実践的な方法を取り入れることで、研修の効果を高めることができます。
これらの方法は、座学では伝えにくい実務スキルや対人スキルの習得に役立ちます。
③研修にかかる時間を計算して決める
研修のカリキュラムが完成した後は、各研修内容に基づいて必要な時間を計算し、全体の研修期間を決定します。
研修内容ごとに必要な期間を見積もることで、研修全体のスケジュールが明確になります。
しかし、研修の期間が長すぎると効率が損なわれるため、必要に応じて内容の絞り込みや調整が必要です。
新入社員研修期間を決める際の3つの注意点
新入社員研修期間を決める際は、次の点に注意しましょう。
- 長すぎず短すぎずにする
- セットでフォローアップ研修も行う
- 研修にかかるコストも考える
ひとつずつ解説していきます。
注意点①:長すぎず短すぎずにする
先ほども少し触れましたが、研修期間は長すぎず短すぎずのバランスが重要です。
研修期間が長すぎる場合、新入社員のモチベーションが低下し、学習効果が薄れる可能性があります。
一方で研修期間が短すぎると、必要なスキルや知識の習得が不十分になり、現場でのパフォーマンスに影響を与えやすいです。
過去の研修のフィードバックや教育係の意見を考慮すると、最適な研修期間を設定することができます。
注意点②:セットでフォローアップ研修も行う
新入社員の研修期間を設定する際は、本研修だけでなく、フォローアップ研修の実施も考慮しましょう。
フォローアップ研修とは、新入社員を配属した後に実施する研修です。
以前に受けた研修の振り返りを行い、新入社員が抱えている課題や改善点を洗い出すことを目的としています。
この研修を行うことで、新入社員は研修で学んだ知識が定着し、実務に活かしやすくなります。
フォローアップ研修を実施するのは、一般的に本研修終了後の3ヶ月後や半年後です。
本研修の期間を設定するときは、フォローアップ研修を行うことも視野に入れて決定しましょう。
注意点③:研修にかかるコストも考える
新入社員研修期間を決める際、研修にかかるコストを十分に考慮することも重要です。
研修には、主に次のコストがかかります。
- 新入社員の給与
- 部屋のレンタル料
- 交通費
- 宿泊費
- 食事代
研修期間が長引くほど、人件費や会議室の利用料などの経費が増加します。
コストと期間のバランスを考えて、研修の長さを決めることが大切です。
新入社員研修を短期間で効果的に行う方法
冒頭では、平均的な新入社員研修の期間は1〜3ヶ月だと解説しました。
しかし、短い期間で研修を終わらせなければならない場合も、会社によってはあるかもしれません。
新入社員研修を短期間で成功させるには、次の方法があります。
- オンライン研修を採用する
- 外部講師に依頼する
それぞれの方法を解説していきます。
①オンライン研修を採用する
新入社員研修を短期間で効率的に実施するためには、オンライン研修の導入が有効です。
日々の業務に追われる中で、全員が同じ時間に集まることは困難です。
そこでオンライン研修を採用すれば、移動時間や会場確保のコスト削減が可能になります。
また、ビデオ会議アプリの機能を活用することで、質問対応やディスカッションもスムーズに行えます。
②外部講師に依頼する
外部の専門講師に研修を依頼する方法も効果的です。
外部講師は研修や教育の専門家であり、特定の分野における深い知識と経験を持っています。
これにより、自社のリソースだけではカバーできない、専門的なトピックや最新のトレンドを研修に取り入れることが可能です。
他にも新たな視点を提供し、参加者の集中を高める効果も期待できます。
ただし、研修を依頼する場合は、外部講師のスケジュール調整や費用対効果を考える必要があります。
新入社員研修の内容
新入社員研修で実施される一般的なプログラムには、次のような内容が含まれます。
- 社会人としての考え方(マインドセット)
- 企業理念
- ビジネスマナー
- 論理的な思考力(ロジカルシンキング)
- 専門的な知識・技術
ひとつずつ解説していきます。
社会人としての考え方(マインドセット)
まず研修で行うのは、社会人としての考え方、すなわちマインドセットの教育です。
社会人としてのマインドセットは、適切な行動や言動、仕事への取り組み方、コンプライアンスの遵守などを含みます。
この教育を通じて、新入社員は学生気分から脱し、企業の一員としての自覚を持つことができます。
企業理念
新入社員は就職活動時に、企業理念や仕事内容についてある程度理解しています。
しかし、実際に職場に入ると、予想とは違うギャップに出くわすことがあります。
このギャップが原因で「イメージしていた仕事ではない」と感じ、離職を考える新入社員も少なくありません。
そのため、研修で企業理念や仕事内容についての理解を深めることで、このようなギャップを埋めることができます。
ビジネスマナー
研修で学ぶビジネスマナーは、主に以下の種類があります。
- 身だしなみ
- 言葉遣い
- 名刺交換
- 電話応対
- 来客対応
- メール送信
これらのマナーを身に付けることで、新入社員は社会人としての基礎を固め、自信を持って職場で活動できるようになります。
さらに、企業全体としても教育が行き届いた印象を外部に与えることができ、企業の信頼性を高めることもできます。
論理的な思考力(ロジカルシンキング)
社会人として成功するためには、論理的な思考力が必須です。
論理的思考力を持つことで、問題を分析し、解決策を効率的に導き出すことができます。
この能力は、報告・連絡・相談の際に、自分の考えを明確に伝えるときにも効果的です。
また、会議での議論やチーム内コミュニケーションにも役立ち、企業全体の生産性を高めることにもつながります。
専門的な知識や技術
新入社員を即戦力にするには、配属部門の専門知識と技術を教えることが重要です。
特に、マーケティング、経理、法務、情報システムなどの部署では、その分野の深い専門知識が不可欠になります。
そのため、研修によって専門スキルを身に付けることで、新入社員は組織内での貢献度を向上させることができます。
まとめ|適切な期間で新入社員研修を行おう
それでは最後に、本記事のおさらいをしましょう。
- 新入社員研修の平均期間
-
- 事務職や営業職は約1ヶ月
- 経理職や技術職は約3ヶ月
- 新入社員研修の期間を決めるためのステップ
-
- 研修する目的・ゴールを決める
- 研修内容を決める
- 研修にかかる時間を計算する
新入社員研修は、これから企業で活躍する人材を育てるために、とても重要なものです。
本記事を参考にして、適切な研修期間を決めて、実りある新入社員研修を実施してください。